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美容外来

美容皮膚科といってもエステではありません。

皮膚の構造や生理機能、病態をよく知る皮膚科医が、できるだけ受診者の希望にそうように治療していきます。世の中、プチ整形ばやりですが、私たちは、メスをもちいた手術やコラーゲン、ヒサルロン酸の注入で顔の造作を変えることはいたしません。ボツリヌス毒素の注射でのしわとりもしません。めざすは、健康で美しい皮膚、年相応のしわはあるけれど、見かけちょっぴり若くなることです。治療方法には保険治療外のものがあります。

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光老化ってなに?


日光角化症

同じ年齢でも見た目が若いひとと老けて見えるひとがいます。なぜでしょうか?子供の頃や若い頃に浴びた紫外線量が多いひとほど「光老化」という生物学的な老化とは別の老化現象が加わるからです。釣りやスキーなどアウトドアの趣味があるひと、外で紫外線を浴びがちな職業のひとは要注意です。紫外線防御のケアをしないと光老化が進行します。ちなみに、たばこも皮膚の老化を進行させます。

光老化で皮膚はどうなるの?

皮膚の角化細胞が、紫外線によるダメージを長期間受けると分化や増殖の過程に異常をきたします。結果として、皮膚の表面はごわごわしたり、ひどくなると「日光角化症」という病変ができたりします。「日光角化症」は放置しておくと皮膚癌のもとになるものです。


光老化で刻まれた深いしわ

皮膚には角化細胞以外にメラノサイトというメラニン色素をつくる細胞がいますが、このメラノサイトも、紫外線によるダメージを受けると、部分的に色素を沢山作ったり、あるいは、ある部分では作らなくなったりして、皮膚の色のむらができます。それが、いわゆる「しみ」です。真皮は、表皮の下の膠原(コラーゲン)線維や弾性線維などがある部分ですが、慢性の紫外線暴露により、ソーラー エラストーシスという弾性線維の変性像が起こります。弾性線維はゴムひものようなもので皮膚の弾力に関係しますが、これが変性すると皮膚の弾力性は失われます。また、慢性の紫外線暴露により膠原線維も減るため皮膚にはしわやたるみができてきます。

日本人はしわよりもしみに悩む

白人では、日本人よりも若い年齢でしわができる傾向にありますが、日本人では、白人にくらべ若い年齢から日光性色素斑ができて、高年齢の同じ年齢層で比べたときも色素斑の程度が顕著です。

「しみ」のうちわけ

 ひとくちにしみといっても、いろいろあります。先に述べた日光性色素斑のほかに、肝斑(かんぱん)、雀卵斑(じゃくらんはん)、後天性真皮メラノーシスなどがあります。なかには、悪性黒子という悪いものもあります。皮膚科医の診察をうけ、しみの種類を見極めて治療していきましょう。

日光性色素斑


日光性色素斑

老人性色素斑という場合もあります。長年の紫外線の影響により、メラノサイトが肥大して、メラニン色素を多く作る部分ができると、その部分では褐色の色素斑ができます。直径が5〜6ミリくらいかそれよりも大きいもので、単発のこともあるし、多発することもあります。


脂漏性角化症

頬やこめかみにかけての部分によく見られます。表皮の角化細胞の異常を伴うものは、表面がざらざらして、厚みをもつようになり、これは、脂漏性角化症とよばれます。

肝斑(かんぱん)


肝斑

肝斑は、中年になって、顔面やときに頸に、左右対称性にできる褐色の比較的大きな斑です。好発部位は頬ですが、額に見られることもあります。妊娠や経口避妊薬などホルモンの関係で濃くなりますが、紫外線暴露でも濃くなります。ビタミンCやトラネキサム酸の内服が有効です。

雀卵斑(じゃくらんはん)


雀卵斑

「そばかす」ともいいます。色白のひとに比較的若いときからできる直径2〜3ミリくらいの小さな褐色斑で、鼻を中心に両頬にたくさんできます。遺伝的な要素が強いのですが、これも紫外線暴露で濃くなります。

後天性真皮メラノーシス

これの一種である太田母斑は、赤ちゃんや子供のときから思春期までに発症しますが、中年になって発症することもあります。頬や、上下のまぶた、額などにでます。片側だけの場合も両側に見られる場合もあります。これは、真皮に異所性メラノサイトという普通は見られないメラノサイトがあるために見られるあざの一種です。これは、レーザー治療が有効です。

悪性黒子

メラノサイトという色素細胞が悪性化したためにできる色素斑です。これは手術で取る必要があります。

皮膚の若返り治療〜何ができるのか〜

遮光

サンスクリーン(日焼け止め)を塗ったり、帽子や日傘で紫外線を遮ることは光老化を進行させないための基本です。

レチノイド

光老化皮膚の若返りには、レチノイン酸やレチノールなどのレチノイドが有効です。レチノイドは、異常になった角化細胞を是正する作用や皮膚のターンオーバーをあげる作用、膠原線維の生成促進作用があります。レチノイン酸は、欧米では処方薬として使われていますが、日本では、残念ながら認可されていません。レチノールはレチノイン酸より効果は低いですが、レチノールが含まれている化粧品は数社から売られています。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは、化学薬品を皮膚に塗って、ある一定レベルまで皮膚に化学反応を引き起こし、その後に新しい皮膚組織を再生させる治療です。薬品の種類や濃度で反応させる深さが変わります。薬品を真皮の深くまで反応させると皮膚にへこんだり盛り上がったりの瘢痕を作る可能性もあります。私たちは、顔全体にグリコール酸やサリチル酸を塗布して、角層や表皮の浅い部分に化学反応をおこさせる最表層ピーリングを行っています。日光性色素斑などに対して部分的に表皮全体を反応させるやや深めのピーリングも行っています。ケミカルピーリングは保険的適応外の治療です。

レーザー治療

日光性色素斑には、レーザー治療も有効です。この場合のレーザー治療も保険適応外です。使用するレーザーは、Qスイッチ付きアレキサンドライトレーザーです。なお、IPL(タイプ)レーザーは使用していません。

なおりにくいにきびの治療もいたします

にきびはなぜできるの?

思春期のにきびは青春のシンボルとはいえ、それに悩むひとはいます。たくさんにきびができているひとならなおさらでしょう。最近は頬の下の方から顎のほうにできやすいおとなのにきびのかたも増えています。
顔や背中、胸の上の方の皮膚の毛包は、脂腺毛包といって、毛穴のなかに肥大した皮脂腺が開いています。にきびはこの脂腺毛包からできます。思春期になると、脂腺の働きが活発になります。また、毛包の開口部の角層が過角化し、毛包内に皮脂や角質が貯留します。これが、面ぽう(コメド)です。毛包の中には、ニキビ桿菌がいて、皮脂を組織傷害性のある遊離脂肪酸に分解します。角質が毛包外に破れてでると、その部分で炎症反応がおこり、赤いにきびや膿を持ったにきびができます。

にきびの治療

抗生物質の外用や内服で炎症を抑える治療をします。抗生物質のなかには、単に化膿を抑える作用だけでなく、面ぽう形成を抑える作用があるものもあります。面ぽう圧出で毛穴につまった内容物を押し出す治療を行う場合もあります。ここまでは保険でカバーされる治療です。
ケミカルピーリングは、角層を除去することで毛穴のつまりをなくして、にきびをできにくくします。ケミカルピーリングは、保険適応外の治療です。保険外の治療に対しては、すべて自分で治療の代金を支払うため、治療にお金がかかります。(保険治療にも実はお金がかかっているのですが、自己負担が3割の場合、残りの7割が保険で支払われるので、自分が支払う額が少なく、見かけ上、お金がかからないように感じるだけです。)学生のかたは、自分でお金を稼げるようになってから、未成年のかたは、成人してからが基本ですが、保険診療内の治療を行い、また、スキンケアのアドバイスをしてにきびをよくするようにしていきます。

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