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乾癬外来

乾癬外来では、「いかにして上手に乾癬と付き合い、コントロールしていくのが良いのか」を患者さんと共に考えていきます。そのためには、患者さんのライフスタイルに合わせて、患者さんそれぞれが継続できる治療方法を選択していくことが重要だと考えています。患者さんの乾癬のタイプ、病変の範囲、部位、程度、合併症や既往症を考えるのはもちろんのこと、生活習慣や職業などを鑑みた無理なく継続できる方法を相談しながら治療をしています。外来での治療のほかに、入院による集中的な光線治療を行っています。

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乾癬外来受診方法

初診(新患外来受診)で行うこと

1. 初めて東北大学病院皮膚科を受診された方々には、病歴聴取、必要な血液検査を行います。
2. また、治療効果を評価していくために皮疹を写真撮影し、診断のために皮膚生検(必要時)を行うことがあります。
3. これらののちに、次回の乾癬外来の予約手続きを行います。

新患受診については、こちらを御覧下さい。

乾癬専門外来受診(水:午後1時30分から午後4時まで)で行うこと

1.初診時の検査結果の説明し、いままでの治療効果の評価をします。
2.乾癬標準治療方法の説明を行います。
乾癬外来での説明パンフレットはこちらから御覧頂けます。
3.患者の状態(全身症状、検査結果など)やライフスタイルに合わせて、最適な治療方法を確認します。
4.治療効果を確認しつつ、必要時には治療方法を再検討します。

・ 病気や治療方法についてわからないことがあれば担当医師に訊いてください。

乾癬についての基礎知識
「乾癬」はどんな病気か?
乾癬とは皮膚が赤く盛り上がり、その上に乾燥した白い垢が厚く付着し、ぽろぽろとはがれ落ちてしまう皮膚の病気です。
皮疹は肘、膝、尻、頭などこすれやすい部分にできやすく、かゆみがあったり、時に指、手足、肘、膝などの関節に痛みや腫れが出ることもあります。爪にも変化が見られることがあります。
「乾癬」はどうして起こるか?
乾癬の原因については、まだはっきりとはわかっていません。家族内に乾癬が見られたりすることから、遺伝的な要素が関係しているようですが、それだけではなく、いろいろな因子が加わって発病や悪化するのではないかと考えられています。
「乾癬」はうつるか?
乾癬がまわりの人にうつることはありません。皮膚がかさかさとうろこ状にはがれ落ちたり、ときに膿(うみ)を持ったりすることがありますが、ウイルスや細菌によって起こっているのではないので、決してうつることはありません。
日常生活での注意点

乾癬が起こる原因についてはまだよくわかっていませんが、乾癬を悪化させる要因として以下のようなものがあります。

1. 皮膚の刺激
かかない、こすらないことが大切です。乾癬では皮疹の出ていないところをかくと、そこにまで症状が広がってしまうことがあります。(ケブネル現象といいます。)入浴はこまめにした方が良いのですが、あまりごしごしと洗わないようにしましょう。また、湯温が高すぎるとかゆみが増しますので気をつけてください。
2. ストレス
肉体的、精神的なストレスは乾癬の大きな悪化要因といわれています。ストレスを完全になくすことは難しいと思いますが、ストレスがたまらないように上手に気分転換を図るよう努力したり趣味を持ったりすることが大切です。
3. 食事・アルコール
食べ物で特に注意するものはありませんが、肉類や脂肪分が高いものを取りすぎないようにしたほうが賢明です。また、刺激の強い香辛料やアルコール飲料はかゆみを増すことがあるので注意しましょう。
4. 感染症
風邪や扁桃腺炎、虫歯など感染症にかかると乾癬が悪くなることがあります。外から帰ったら、うがいや手洗いなどをして感染予防に努めましょう。
5. 薬物
いくつかの薬剤の使用後に乾癬が悪化することがあります。使用前に悪化することがないか医師に相談し、万が一悪化した場合は速やかに他の薬剤に変更してもらいましょう。
乾癬の治療方法

乾癬はなかなか治りにくい病気です。治療の最終目的は病気の完治にありますが、今のところそれを実現することは簡単なことではありません。乾癬は慢性の疾患ですから治療は長期間になることがほとんどです。ですから治療法を選択する時にはその効果はもちろんのことですが、長期的に施行した場合の副作用もよく考えなくてはなりません。また、乾癬と一口に言っても、いろいろなタイプがあります。尋常性乾癬、膿疱性乾癬、滴状乾癬、乾癬性紅皮症、関節症性乾癬といったタイプですが、それぞれに適した治療法があります。私たちは患者さんの乾癬の病型、病変の範囲、部位、程度、さらには合併症や既往症などを考えて治療を選択します。また、同じ治療を長く続けると効きにくくなるという慣れの現象を起こすことがありますので、いくつかの治療をうまく組み合わせ順々に使う工夫もしています。

乾癬に用いる治療は大まかに分けると以下のようになります。

外用療法
・活性型ビタミンD3外用
・ステロイド(副腎皮質ホルモン剤)外用
内服療法
・ シクロスポリン(免疫抑制剤)内服
・ エトレチナート内服
光線療法
・ Narrow band (ナローバンド)UVB療法(詳細は下記)
・ PUVA療法
・ エキシマライト療法
分子標的療法
・ 抗TNFアルファ療法
・ 抗IL-12/IL-23療法

以上の治療法を単独であるいは組み合わせて行っています。
どの治療方法が適しているかは患者さんによって異なります。東北大学病皮膚科乾癬外来では患者さんの状態やライフスタイルを確認してから適切な治療方法を選択しております。

乾癬治療方法の詳細は東北大学病院乾癬外来での説明パンフレットから御覧ください。

Narrow band(ナローバンド)UVB療法

東北大学病院皮膚科では2001年4月よりnarrow band UVBの光線照射器を導入し、乾癬をはじめとする炎症性皮膚疾患の治療を行っています。
Narrow band UVBとは311 nm〜313 nmの波長域にピークを持つ紫外線光源です。UVB(波長域:290〜320 nm)のなかで最も治療効果が高く、副作用を起こしにくい波長であるといわれています。近年、欧米を中心に乾癬をはじめとする様々な皮膚疾患の治療に用いられるようになり、良好な治療成績が得られています。

東北大学病院皮膚科では約1か月の入院による治療を中心にnarrow band UVBによる治療を行います。詳しくは当科乾癬外来でお話ししております。

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