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後期研修について

1. 皮膚科学について

一言で皮膚科学といっても、おもに軟膏、光線療法などで治療する一般皮膚科学(将来、開業医を志す先生方が必要な知識、技術)、手術を中心に治療する皮膚外科学、皮膚腫瘍学(将来、大学病院、市中病院で皮膚科医として勤務する先生方が必要とする知識、技術)、美容皮膚科学、皮膚病理学、研究皮膚科学とかなり異なった専門分野が存在します。

東北大学皮膚科での後期研修では、後期研修期間中に皮膚科専門医の資格を取得するだけでなく、可能な限りオールマイティーの皮膚科医を育て上げることを目標としています。すなわち、病理組織を含めた皮膚科診療一般に精通し、基本的な手術ができ、レーザー治療を含めた美容皮膚科にも理解を示し、さらに、一度は基礎研究に汗を流したことがあるといった皮膚科医を育てたいと思います。そして、皮膚科学全般に一通り精通したところで、各自が自分の特性にあった専門分野に進んでいくように考えています。

  • 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医取得には日本皮膚科学会に入会して、主研修施設と研修施設でのあわせて5年間の研修が必要です。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医制度についての詳細はこちらのページを参照下さい。
  • 東北大学病院皮膚科を主研修施設として行う後期研修は、東北大学病院と宮城県を中心に東北地方にある日本皮膚科学会認定施設や教育関連施設を1〜2年単位に移動し行われます。また、研修プログラムの一つには、4年間、皮膚科大学院に入学し、臨床を学びながら、皮膚科学に関連した基礎的研究をおこなうコースも用意しています。
  • 一般的な皮膚科医としての診断、治療に習熟することに加えて、具体的な研修目標としては、最低限、以下の課題を設けています。
1)皮膚病理学:

東北大学皮膚科では、年間約1,000例の院内標本、約700例の院外標本を診断しています。
後期研修医は、概ね月に10例から20例の病理標本の診断を指導医と共に担当しています。


2)レーザー治療:
レーザー外来を毎週金曜日の午後に行っています。5年間の研修期間中に主治医としての担当症例数の目標は以下です。
  1. 10例の単純性血管腫のレーザー治療
  2. 5例の太田母斑のレーザー治療
  3. その他

 

3)皮膚外科:

東北大学皮膚科では、年間約150例の全身麻酔による手術、同じく約150例の中央手術室を用いての局所麻酔手術を行っています。(外来における小手術は含まれていない)。5年間の研修期間中に以下の症例数を 執刀医としての経験目標にしています。

  1. 10例の植皮術
  2. 5例の基底細胞癌の切除
  3. 2例の有棘細胞癌の切除
  4. 2例の悪性黒色腫の切除
  5. 40例の皮膚良性腫瘍の切除

また、以下の術式の執刀医もしくは第一助手を経験します。

  • 5例のセンチネルリンパ節生検
  • 2例のリンパ節郭清術
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    4)皮膚科基礎研究

    接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、乾癬などに関連した免疫、アレルギーに関連する研究、表皮細胞・色素細胞の増殖分化に関連する研究などを経験できます。特に大学院進学者には個別のテーマが与えられ、主体性を持って基礎研究に取り組んでいます。

     

    2. 後期研修プログラム

    • 現在のところ、大学病院における研修も含めて有給での採用が可能です。東北地方にはまだまだ皮膚科医の人数が少なく、年々高まってくる皮膚科医療需要に応えられていないのが現状です。東北大学皮膚科では、研修医の方々の皮膚科専門医や博士学位取得希望に対応できるように研修プログラムを用意しています。
    • 皮膚科研修の週間スケジュールについてはこちらのページを参照下さい。
    具体的な研修プログラム
    プログラム 卒後3年目 卒後4年目 卒後5年目 卒後6年目 卒後7年目 卒後8年目
    1 東北大病院 研修協力病院 大学院 大学院 大学院 大学院
    2 東北大病院 研修協力病院 研修協力病院 東北大病院 東北大病院  
    3 東北大病院 大学院 大学院 大学院 大学院  
    1. 東北大病院と研修協力病院で臨床研修後、大学院に入学し、博士号取得と専門医取得を目指すコース (最も一般的なコース)。
    2. 研修終了後、直ちに皮膚科専門医として活躍できるように、臨床医としての研修に重点をおいた研修プログラム。
    3. 東北大病院で臨床研修後、大学院に入学し、博士号取得と専門医取得を目指すコース(初期研修ですでにある程度の皮膚科の研修をおこなってきた医師が対象です)。
    研修協力病院:

    仙台医療センター、仙台市立病院、仙台赤十字病院、東北労災病院、イムス明理会仙台総合病院、大崎市民病院、石巻赤十字病院、みやぎ県南中核病院、気仙沼市立病院、岩手県立胆沢病院

    その他の関連病院

    JCHO仙台病院、仙台徳洲会病院、仙台JR病院、塩竃市立病院、坂総合病院、刈田綜合病院、国保川崎病院、涌谷町国保病院,女川町立病院、登米市立佐沼病院、栗原中央病院、山形至誠堂病院、山形徳洲会病院、十和田市立中央病院、いわき医療センター、など。

     

    3. 充実した研究環境

      東北大学皮膚科では、自分の興味にあった研究活動が可能です。医師として、皮膚科医としてどの様な将来像を決めたとしても十分に対応ができる環境が整備されています。東北大学皮膚科では、皮膚の獲得免疫・自然免疫、表皮細胞の分化とバリア機能などの基礎研究、白斑症や脱毛症治療法の臨床研究、また,工学部との連携に基づいた新しい診断と治療システムの構築を目指す医工連携などを中心に多面的な研究活動が行われています。

      東北大学皮膚科で研修する医師の多くが、専門医を取得しながらまたは専門医取得後に大学院に入学し、医学博士学位を取得しています。また東北大学大学院では、研修協力病院に勤務しながら大学院生として研究する社会人大学院生の制度も用意しています。東北大学大学院医学系研究科については、こちらのページを参照下さい。

      博士学位取得後も研究継続に興味をお持ちの方は、大学病院あるいは大学病院の近郊の病院で臨床修練を積みながら研究を継続することが可能です。そのような方々を東北大学皮膚科学教室として全面的に支援しています。

     

    4.東北大学皮膚科で研修することの魅力

      東北大皮膚科が目指すものの一つは、その自由度の高さです。医学部を卒業後数年してから始まる専門医に向けての後期研修の時期は、結婚や出産など私生活においても人生の大きな変化を経験しやすい時期でもあります。東北大学皮膚科を中心とした研修では、大病院で生命に関わるような重篤な皮膚疾患や皮膚腫瘍の治療に携わることもできますし、自分のライフスタイルに併せた研修プログラムを選択することも可能です。また、診療とのバランスを取りつつ、基礎的な研究をしてみたいという先生方にも皮膚科は最適な診療科です。女性の先生方には、時短医員制度の活用やキャリアアップの相談に随時対応しています。将来、育児をしながら医師としてキャリアアップしていけるかという悩みも東北大学皮膚科では無用です。場面場面に応じて、それぞれの先生方の人生設計やライフスタイルに合わせた研修プログラムなどを応談しています。

     

    皮膚科研修・入局に関するお問い合わせ先:

    橋本彰(医局長)
    TEL: 022-717-7271
    FAX: 022-717-7361
    e-mail: derma@med.tohoku.ac.jp

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