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皮膚科での初期研修について

東北大学病院皮膚科では、東北大学病院卒後研修センターとタイアップして、初期研修医の皮膚科研修受け容れを行っています。初期研修としての皮膚科研修では、皮疹の見方・考え方、外用療法の用い方や皮膚外科手技を習得すると共に、医師を職業とする限り必ず経験する薬疹(薬剤による中毒疹)の見極め方の極意を習得してもらいます。

また、将来皮膚科専攻を考えている学生や初期研修医の方々には、東北大学皮膚科をホスト科とした初期研修プログラムを計画することで、効率的に皮膚科専門医取得を達成することを目標とした研修を行っていきます。

東北大学病院で初期研修を考えている皆様へ

初期研修としての皮膚科研修では、皮疹の見方・考え方、外用療法の用い方や皮膚外科手技の習得、薬疹(薬剤による中毒疹)の見極め方の極意伝授のために、8週間以上の研修をお薦めしています。

皮膚科での初期研修では、皮膚科特有の手技のみならず、臨床研修の到達目標に掲げられている「II.経験目標」の「A.経験すべき診察法・検査・手技」64項目のうち42項目、「B 経験すべき症状・病態・疾患」140項目のうち27項目を経験・習得できます。

 

皮膚科で経験可能な項目の一覧

A. 経験すべき診察法・検査・手技
    @.医療面接(3項目中3項目可能
  • 医療面接におけるコミュニケーションの持つ意義を理解し、コミュニケーションスキルを身に付け、患者の解釈モデル、受診動機、受療行動を把握できる。
  • 患者の病歴(主訴、現病歴、既往歴、家族歴、生活・職業歴、系統的レビュー)の聴取と記録ができる。
  • 患者・家族への適切な指示、指導ができる。
    A. 基本的な身体診察(9項目中1項目可能
  • 全身の観察(バイタルサインと精神状態の把握、皮膚や表在リンパ節の診察を含む)ができ、記載できる。
    B. 基本的な臨床検査(20項目中16項目可能)
  • 一般尿検査(尿沈渣顕微鏡検査を含む)
  • 便検査(潜血、虫卵)
  • 血算・白血球分画
  • 血液生化学的検査・簡易検査(血糖、電解質、尿素窒素など)
  • 血液免疫血清学的検査(免疫細胞検査、アレルギー検査を含む)
  • 細菌学的検査・薬剤感受性検査(検体の採取(痰、尿、血液など)、簡単な細菌学的検査(グラム染色など)
  • 肺機能検査・スパイロメトリー(術前検査として判定を行う)
  • 髄液検査
  • 細胞診・病理組織検査
  • 超音波検査(皮膚超音波検査を腫瘍のルーチーン検査として行います)
  • 単純X線検査(皮膚腫瘍など)
  • 造影X線検査(皮膚腫瘍など)
  • X線CT検査(皮膚腫瘍など)
  • MRI検査(皮膚腫瘍など)
  • 核医学検査(皮膚腫瘍など)
  • 神経生理学的検査(皮膚筋炎などの膠原病で行う)
    C. 基本的手技(19項目中10項目可能
  • 圧迫止血法を実施できる。
  • 包帯法を実施できる。
  • 注射法(皮内、皮下、筋肉、点滴、静脈確保、中心静脈確保)を実施できる。
  • 採血法(静脈血、動脈血)を実施できる。
  • ドレーン・チューブ類の管理ができる(リンパ郭清後のドレーン管理など)。
  • 局所麻酔法を実施できる。(皮膚外科基本手技)。
  • 創部消毒とガーゼ交換を実施できる。
  • 簡単な切開・排膿を実施できる。
  • 皮膚縫合法を実施できる。
  • 軽度の外傷・熱傷の処置を実施できる。
    D. 基本的治療法(4項目中4項目可能
  • 療養指導(安静度、体位、食事、入浴、排泄、環境整備を含む)ができる。(入院療法や術後管理の一環として)。
  • 薬物の作用、副作用、相互作用について理解し、薬物治療(抗菌薬、副腎皮質ステロイド薬、解熱薬、麻薬、血液製剤を含む)ができる。
  • 基本的な輸液ができる。
  • 輸血(成分輸血を含む)による効果と副作用について理解し、輸血が実施できる。
    E. 医療記録法(5項目中4項目可能
  • 診療録(退院時サマリーを含む)を POS(Problem Oriented System)に従って記載し管理できる。
  • 処方箋、指示箋を作成し、管理できる。
  • 診断書、死亡診断書、死体検案書その他の証明書を作成し、管理できる。
  • 紹介状と、紹介状への返信を作成でき、それを管理できる。
    F. 診療計画(4項目中4項目可能
  • 診療計画(診断、治療、患者・家族への説明を含む)を作成できる。
  • 診療ガイドラインやクリティカルパスを理解し活用できる。
  • 入退院の適応を判断できる(デイサージャリー症例を含む)。
  • QOL(Quality of Life)を考慮にいれた総合的な管理計画(リハビリテーション、社会復帰、在宅医療、介護を含む)へ参画する。

    B. 経験すべき症状・病態・疾患
    @.頻度の高い症状(35項目中9項目可能
  • 全身倦怠感、浮腫、リンパ節腫脹、発疹、黄疸、発熱、関節痛、歩行障害、四肢のしびれ
    A.緊急を要する症状・病態(17項目中4項目可能
  • ショック、急性感染症、外傷、熱傷
    B. 経験が求められる疾患・病態(88項目中70%以上の経験が目標。皮膚科では14項目可能
  • 湿疹・皮膚炎群(接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎)、蕁麻疹、薬疹、皮膚感染症、静脈・リンパ管疾患(深部静脈血栓症、下肢静脈瘤、リンパ浮腫)、副腎不全、糖代謝異常(糖尿病、糖尿病の合併症、低血糖)、ウイルス感染症(インフルエンザ、麻疹、風疹、水痘、ヘルペス、流行性耳下腺炎)、細菌感染症(ブドウ球菌、MRSA、A群レンサ球菌、クラミジア)、全身性エリテマトーデスとその合併症、アナフィラキシー、環境要因による疾患(寒冷による障害)、熱傷、老年症候群(褥瘡)

医学生の皆様へ

将来、皮膚科専攻を考えている学生や初期研修医の方々には、東北大学皮膚科をホスト科とした初期研修プログラムを計画することで、効率的に皮膚科専門医取得を達成することを目標とした研修を行っていきます。皮膚科での研修を初期研修期間の最初と最後に3か月ずつ行い、皮膚疾患に関連する診療科を効率よくローテーションするプログラムです。

    プログラムの一例

    1年目

  • 4-6月…皮膚科
  • 7,8月…循環器内科
  • 9,10月…呼吸器内科
  • 11,12月…血液免疫科
  • 1-3月…救急

  • 2年目

  • 4月…放射線診断科
  • 5月…糖尿病代謝科
  • 6,7月…小児科
  • 8月…精神科
  • 9月…移植再建内視鏡外科
  • 10,11月…腫瘍内科
  • 12月…地域医療
  • 1-3月…皮膚科

なお、東北大学皮膚科入局されて日本皮膚科学会入会手続きをした後の初期研修期間は、 専門医受験資格に必要な研修期間の一部として算定されます。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医制度の詳細はこちらのページを参照下さい。

皮膚科研修・入局に関するお問い合わせ先:

橋本彰(医局長)
TEL: 022-717-7271
FAX: 022-717-7361
e-mail: derma@med.tohoku.ac.jp

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